研究セミナー
【研究セミナー】11/13(金)に第23回CHS物理学科研究セミナーが開催されます。
11/13(金)に第23回CHS物理学科研究セミナーが開催されますので、下記内容にご興味ある方は是非ご聴講ください。
学内の方は申し込み不要ですので、時間になりましたら直接指定場所にお越しください。学外からいらっしゃる方は、学内者に連絡をとるか、yamamoto.daisuke21[アットマーク]nihon-u.ac.jpまでメールしていただいた上でご参加ください。
講演者:川崎 大生氏(近畿大学, 修士1年)
第23回CHS物理学科研究セミナー
日時:2026年11月13日 (金)
16:00~18:00
場所:日本大学文理学部 8号館 A-104, A-105 (物理学科セミナー室)
言語:日本語
タイトル:長距離相互作用を有するXY模型におけるHiggsモードとNambu-Goldstoneモード
概要:連続対称性が自発的に破れた系では、秩序変数の位相の揺らぎに対応するNambu-Goldstone (NG) モードが現れる。それに加えて、粒子・正孔対称性を有する系では、振幅の揺らぎに対応するHiggsモードも現れる。このモードは、素粒子物理におけるHiggs粒子と類似の普遍的な集団励起として、超伝導体、量子磁性体、冷却原子気体などの様々な物性系で研究されてきた [1]。Higgsモードは、短距離相互作用を有する2次元空間の系においては、強い量子揺らぎおよび熱揺らぎの効果によって顕著に減衰する。特に、光格子中の2次元超流動Bose気体では、揺らぎの効果と系の非一様性のためにHiggsモードの観測が容易でないことが知られている [2]。
そこで本研究では、個別原子の高い制御性および検出性と長距離相互作用を併せ持つRydberg原子系 [3]において、2次元系のHiggsモードの観測可能性を調べる。具体的には、近年の実験 [4]で実現された、交替磁場を有するスピン1/2のXY模型で記述される系を対象とする。我々の以前の研究では、スピン波理論に基づく解析によって、スピン1のXY模型において、量子相転移点近傍で長距離相互作用がHiggsモードの減衰を大きく抑制することを見出した [5]。本講演では、スピン波理論に基づく解析によって、スピン1/2の系においても交替磁場の存在下ではNGモードに加えてHiggsモードが出現し、量子相転移点近傍において、後者の減衰率が長距離相互作用により顕著に抑制されることを明らかにする [6]。その結果に基づいて、この系においてHiggsモードの実験観測が可能であることを提案する。さらに、上記の二つの場合に関して、量子相転移点近傍の低エネルギー有効理論として同型のGinzburg-Landau作用が導出されること、つまりこれらの系の低エネルギー物理が普遍的であることを示す。
[1] N. Tsuji et al., Encycl. Condens. Matter Phys. 1, 174 (2024).
[2] M. Endres et al., Nature 487, 454 (2012).
[3] A. Browaeys and T. Lahaye, Nat. Phys. 16, 132 (2020).
[4] C. Chen et al., Nature 616, 691 (2023).
[5] D. Kawasaki and I. Danshita, Phys. Rev. A 113, 053325 (2026).
[6] D. Kawasaki and I. Danshita, in preparation.