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お知らせ

研究セミナー

【研究セミナー】3/14(金)に第17回CHS物理学科研究セミナーが開催されます。

3/14(金)に第17回CHS物理学科研究セミナーが開催されますので、下記内容にご興味ある方は是非ご聴講ください。

学内の方は申し込み不要ですので、時間になりましたら直接指定場所にお越しください。学外からいらっしゃる方は、学内者に連絡をとるか、yamamoto.daisuke21[アットマーク]nihon-u.ac.jpまでメールしていただいた上でご参加ください。

講演者:髙橋 一史氏(京都大学基礎物理学研究所 特定研究員 (特任助教))

第17回CHS物理学科研究セミナー
日時:2025年3月14日 (金)
   16:00~18:00
場所:日本大学文理学部 8号館 A-104, A-105 (物理学科セミナー室)
言語:日本語

タイトル:ブラックホール摂動の有効理論

概要: 2015年のLIGOによる連星ブラックホール由来の重力波の初観測以来、多数の重力波イベントが発見されており、強重力における物理の探査が劇的に進むことが期待されている。現在までの観測は一般相対論におけるブラックホール解と整合的であるものの、今後ますます多くの重力波イベントが観測され詳細なデータが得られることを考えると、一般相対論では説明できない現象の発見も見込まれる。従って、一般相対論の拡張理論においてブラックホール由来の重力波の予言を行い、観測結果に基づき重力理論を検証するための定式化が必要となる。
拡張された重力理論の予言を観測と比較するにあたり、従来は様々な模型を個別に議論することが主流であった。しかしながら、膨大な数の理論模型が存在する現状を鑑みると、そのような方策は非現実的であるため、模型の詳細に依存しない予言が可能な定式化が必要とされる。宇宙論の文脈では「インフレーションの有効理論」と呼ばれる枠組みにより、初期宇宙のインフレーションによって生成される揺らぎを、模型の詳細によらず包括的に記述できることが知られている。本講演では、この枠組みをブラックホールの場合へと拡張した新たな包括的アプローチである「ブラックホール摂動の有効理論」を紹介する。またこの枠組みを用いて、振動するブラックホールからの重力波などについて議論する。

参考文献:
[1] Shinji Mukohyama, Kazufumi Takahashi, Vicharit Yingcharoenrat, JCAP 10, 050 (2022)
[2] Shinji Mukohyama, Kazufumi Takahashi, Keitaro Tomikawa, Vicharit Yingcharoenrat, JCAP 07, 050 (2023)

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