閉じる

お知らせ

研究関連 在学生

【研究成果】玉岡研究室の鈴木翔太さん(修士課程2年)が論文を発表しました。

玉岡研究室の鈴木翔太さん(相関理化学専攻 修士課程2年)が中心となって行った、量子もつれとブラックホール内部の時空の成長に関する研究成果が、9月17日に論文投稿サイト arXiv にて発表されました。

本研究では、重力理論と量子論を結びつける AdS/CFT 対応を用いて、ブラックホール内部のワームホールの成長と、多体量子もつれの関係を解析しています。
ワームホールは時間とともに成長しますが、通常のエンタングルメント・エントロピーは途中で一定となり、その後の成長を捉えられなくなります。本研究では、二者間の量子もつれだけでは捉えられない構造を調べる指標「真の多重エントロピー(genuine multi-entropy)」に着目しました。

解析の結果として、以下の点が明らかになりました。

  • 系を三つに分けたとき、各部分系のエンタングルメント・エントロピーがすべて一定となった後も、真の多重エントロピーは時間に比例して増加し、ワームホールの成長を引き続き捉えられること
  • ブラックホールの解析と、量子多体系の一種であるカオス的な SYK 模型において、長時間後の真の多重エントロピーが、ランダムな量子状態と共通する振る舞いを示すこと

これらの発見は、量子もつれから時空が生まれる仕組みを理解する上で、多体量子もつれが果たす役割を明らかにするものです。

論文タイトル:Growing Einstein-Rosen Bridge with Multi-partite Entanglement
著者:Takanori Anegawa, Akihiro Miyata, Shota Suzuki, Kotaro Tamaoka
論文リンク:arXiv:2609.18225