閉じる

お知らせ

研究セミナー

【研究セミナー】2/26(水)に第15回CHS物理学科研究セミナーが開催されます。

2/26(水)に第15回CHS物理学科研究セミナーが開催されますので、下記内容にご興味ある方は是非ご聴講ください。

学内の方は申し込み不要ですので、時間になりましたら直接指定場所にお越しください。学外からいらっしゃる方は、学内者に連絡をとるか、yamamoto.daisuke21[アットマーク]nihon-u.ac.jpまでメールしていただいた上でご参加ください。

講演者:折戸 隆寛氏(東大物性研 博士研究員)

第15回CHS物理学科研究セミナー
日時:2025年2月26日(水)
   16:00~17:30
場所:日本大学文理学部 8号館 A-104, A-105 (物理学科セミナー室)
言語:日本語

タイトル:混合状態における相転移 – 強い対称性の自発的破れ

概要:近年の量子技術の発展に伴い、これまで実現が困難だと考えられていた量子相の観測が報告されています。しかし、非常に高い制御性・精度を持つ実験系であっても、注目している量子系と外場(熱浴や測定器等)の結合を避けることは困難です。外場との結合は、注目している量子状態(純粋状態)を混合状態へと、しばしば変化させます(量子デコヒーレンス)。それゆえ、外場との結合に対して、純粋状態の相状態の性質がどの程度保たれるのか、あるいは、外場との結合によって生じる混合状態では、どのような新奇相があるのか、そして相転移が生じるのかについて、明らかにすることが求められています。

混合状態と純粋状態の違いの一つとして対称性の定義が挙げられます。混合状態における対称性の興味深い点は、強い・弱い対称性という2つの対称性が定義出来ることです。本セミナーでは、スタビライザー形式と呼ばれる量子回路の表現方法を用いて、確率的に揺らぐ量子デコヒーレンスにより、強い対称性をもつ量子状態から弱い対称性をもつ量子状態への相転移(強い対称性から弱い対称性への自発的対称性の破れ)が生じることを紹介します。

参考文献: Yoshihito Kuno, Takahiro Orito, Ikuo Ichinose, Strong-to-weak symmetry breaking states in stochastic dephasing stabilizer circuits, PRB 110, 094106 (2024), arXiv:2405.02592

これまでのCHS研究セミナー