最近話題となっている燃料電池は水の電気分解の逆反応を利用し、燃料から直接電気エネルギーを取り出す発電装置です。二酸化炭素の排出が少ないため環境にやさしく、エネルギーの変換効率が高いため自動車用電源や中規模型の発電所などに実用化が期待されています。
燃料電池には電解質の違いにより4種類あります。中でも固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell)はエネルギー変換効率が高いとされています。さらに、排熱を利用して発電することも可能です。 現在電解質材料としてイットリア安定化ジルコニア(YSZ)が主に使用されていますが、作動温度が700℃~800℃と高い為、燃料電池の構成材料が限定されてしまいます。
本研究室では、YSZ以外の材料を電解質に使用することにより、SOFC の作動温度を低下させて構成材料の選択肢をひろげる研究をしています。
例を挙げるとCe1-XAeXO2-δ(Ae=Gd,Sm)やLaGaO3系材料を新たな酸化物イオン導電体として研究しています。